14.<大陸横断鉄道の旅(1)>

 永らくごぶさたいたしました。先日、私が親以上に世話になった長兄の一周忌があったり、その他いろいろと身辺のせわしない日が続いたため、『カナdaより』をほったらかしにしてしまいました。全国の皆様、どうかこれに懲りることなく今後とも御愛読願います。
 とは言っても旅はもはや後半になります。それに、間があいてしまったせいか記憶の方もだんだん怪しくなってきたみたいです。こりゃぁ先を急がないと・・・。

 ジャスパーの町を歩きまわって買い物したり、なんとか言う山の展望台までロープウェイでのぼって町を上から眺めたり、もちろん昼食もどこかでとりました。

 その辺りを省略しまして、今朝荷物を預けた駅に戻ってきました。ここからバンクーバーへは列車の旅です(今、観光案内の写真をよく見たらディーゼルの様でした。煙突もパンタグラフもないみたいですから...)
 これから乗るのは大陸横断鉄道のほんの一部分だけ(でも日本を横断するより長い距離ですが..)を走っている観光列車です。集合午後3時55分。集合と言ったって我々三人だけですからのんびりしたものです。
 Ozaki君とはきのう、バンガローに着いた時点でさよならしています。彼はカルガリー、バンフ、ジャスパーといったカナディアンロッキーの東側の地帯を担当しているので、バンクーバーでは他の人が案内してくれるとか。

 そんなわけで寂しい駅に三人の日本人がうろうろとやってきたのです。それでも発車時刻が近づくにつれてだんだん人が増えてきました。日本人観光客もいたりしていくぶん賑やかになってきました。
 なかなか改札か始まらないので心配になってきた頃やっと列車到着。改札口から中に入れてくれました。荷物は乗務員が運び込んでくれるのだとか。今朝預けたときからそういう話だったんだそうです。

   駅なのにプラットホームがないなんて・・・
   駅なのにプラットホームがないなんて・・・

 で、そこでびっくり。なんと、プラットホームがないのです。我々が立っているのはレールよりも低い位置です。そういえば外国映画で見たことがあるようにも思うし、日本でも貨車の操車場はこんな感じだったなぁ、と感心しながら眺めていました。
 ところが発車時刻になっても何の放送も連絡もないので今度は本当に心配になりました。出発が遅れるのかなぁ。だいたい時刻が近づいたら「えぇーながらくお待たせいたしました。この列車は云々・・・」とかなんとか案内するのが親切というもんじゃぁないかしら。もしこのまま列車が動いていっちゃったらたいへんだぞ。

 そういえばデッキの扉はあいたままだし、えぇい乗っちまえ。というわけで手すりをつかんで我が身をぐいと上にあげ、やっとの思いでつま先を引っ掛けて、最後は両手両足の力と全身の反動をたくみに利用して無事列車によじ登ることができたのです。
 おれもまだまだ若いもんには負けんなぁ、それとこの運動神経のよさ(^_^; ・・・と、ちょっぴり悦にいったあと、今度は家族の為に働かなくっちゃというわけでF美をよいしょっと引っ張りあげました。ま、よじ登ったときのことを思えばF美の一人や二人軽いものです。
 次はA子を、と思ったそのとき客車から一人の老婦人がでてきて大声で「 ワァワァ!! ガァガァ!!_ギャァ/!!  ▲☀☠☢♠ ◑◄?@!!ű©Î÷Õ ¾.¶«¢²ß»®¡¢Éè△▴☃➳」と、何やら私に向かってわめきはじめたのです。
 婆さんがいくら騒いだって、こっちは何を怒られているのやらはたまた褒められているのやらさっぱりわかりません。でもとにかくものすごい剣幕にたじたじ。ついにF美共々せっかくよじ登った列車から飛び降りてしまいました。
 なぁに、飛び降りるのは訳ありません。たいした努力は要らず、ただ引力に身を任せたところ地球がこちらにやってきてくれました。あぁあ、もったいない。

 それにしてもあの婆ぁさん一体何をあんなにわめいていたんだろう?F美にもわからなかったそうです。年寄りの英語は苦手だとか。
(なぁんだ俺と大して変わんないじゃぁん\(*^o^*)/)

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